デザインチーム体制:中小及び大企業における理想的な設置

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デザインがほとんどの企業で「あったらいいな的なもの」とみなされていた時代は終わりました。今やデザインは、ビジネスを成功させるためのは不可欠な存在であり、マッキンゼーの報告によると、デザインに投資した企業は、収益が32%増加し、株主還元が56%増加しているそうです。正しく構成されたデザインチームは、利益を生み出す優れた組織の中核であり、魂なのです。

この記事では、さまざまなタイプのデザインチーム構造と、さまざまな規模の企業における理想的な構造について説明していきます。

マッキンゼーレポート原文(英語)

レポートの要約(日本語)

デザインチームとは?

デザインチームは、デザイナーひとりで構成されることもあれば、複数のデザイナーが異なる役割を担い、異なるツールや手法を使って、1つの共通の目標を達成することもあります。共通の目標とは、ウェブサイトの構築、モバイルアプリケーションのデザインなど、あらゆるデザインプロジェクトです。

デザインチームの構造の種類

デザインチームの構造とは、チーム内のさまざまなデザイン階層と、彼らが持つ役割と責任のことを指します。デザインチームの構造には、集権型、組込型、柔軟型、契約型の4種類があります。

集権型

この構造では、デザインチーム全体で協力し合い、一人の意思決定者のもとで一箇所に集中して働きます。大規模なデザインチームでは、個々のデザイナーを管理するデザインマネージャーが数人います。デザインマネージャーは上には、主にUXディレクターやUX担当副社長のような役職の方がいます。

中央集権的なデザインチームは、社内のさまざまなデザインプロジェクトに取り組むという意味で、仲介役のような働き方をします。仕事量は、デザインマネージャーやUXディレクターが管理します。

集権型のメリットは:

  • デザインチーム内のコラボレーションとフィードバックの共有が簡単
  • デザインチームが同じビジョンとデザインリソースを共有することにより、統一されたデザインエクスペリエンスが得られる。
  • デザインチーム内の役割が明確に定められているため、チーム内の衝突が減少する。
  • 異なるデザインプロジェクトに取り組むことで、デザイナーに幅広い学習の機会が与えられる。

集権型のデメリットは:

  • デザインチームの孤立化。
  • デザインプロセスが遅くなり、時間の浪費につながる。
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組込型(または分散型)

ここでは、デザイナーは社内の業務の枠を超えたチームに組み込まれ、そのチームのリーダーに報告をします。デザイナーは、デベロッパー、製品エンジニア、マーケティング担当者とともに、特定の製品、機能、またはビジネスラインについて仕事をすることができます。

組込型のメリットは:

  • 部署を超えた信頼と協力の向上
  • 製品開発のスピードアップ 
  • デザイナーが特定のプロジェクトの専門家になる機会が得られる

組込型のデメリットは:

  • デザイナーはチーム内で多勢に無勢となり、意見を無視されがち。
  • 一元化されたデザインシステムがない場合、分散したチームは多くの反復作業を行い、時間と資源が浪費されがち。
  • デザインの担当者がいない場合、デザインプロセスの改善はほとんど手付かずになる可能性がある。
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柔軟型

柔軟型デザインチーム構造では、デザイナーは業務の枠を超えたチームの一員としてチームリーダーに報告し、また中心のデザインリーダーにも報告します。この社内デザインチーム構造は、集権型と組込型のデザインチーム構造のいいとこ取りと言えます。これらのデザインチームは、変化する企業のデザインニーズに合わせて簡単に移動させることができるため、柔軟性があります。

フレキシブルなチーム体制では、デザイナーの日々の活動はチームリーダーに指示・監督されます。さらに、デザインチームのマネジメントはデザインリーダーが行い、デザインレビューという形で他のデザイナーとのコラボレーションも行われます。

柔軟型のメリットは:

  • あらゆるデザインニーズに対応できる柔軟性の向上。
  • 二重の監視の結果、デザインプロセスにより集中することができる。
  • デザインチームと他の製品チームとのコラボレーションの改善。

柔軟型のデメリットは:

  • デザイナーの間で、どのリーダーがデザインの最終決定権を持つのか混乱が生じる可能性。
  • 大規模な企業での導入の難しさ。
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契約型

デザインのギャップを埋めるために、外部のデザインチームが契約ベースで雇われることがあります。会社専任のデザイナーを雇うほどの予算がない小規模な企業では、デザインチームを契約のもとに雇用することがあります。同様に、社内にデザインチームを持つ企業でも、デザインワークの量が急増したり、社内のデザイナーのスキルにギャップが生じたりすることがあります。どちらの場合も、契約デザインチームが業務量と専門知識の不足を補うことができます。

中小企業、大企業向けの理想的なデザインチームの設置

あなたの会社に適したデザインチームの構成は、多くの要因によって変わってきます。例えば、会社の規模、デザインプロジェクトの種類、デザインの需要に見合ったデザインチームの能力などです。それでも、さまざまな規模の企業に最適なデザインチーム構造があります。

小規模企業向けのデザインチーム体制

小規模な企業では、業務の枠を超えたチームにデザイナーが所属する分散型モデルが最も適しています。このデザイナーは、社員でも契約でもかまいません。小規模な企業で採用するデザイナーとして最適なのは、デザインリーダーシップのスキル(ハーバードビジネスレビューより)を持った人です。デザインリーダーは、経営陣にデザインの重要性を説き、強いビジョンを打ち出す必要性があります。そうすることで、企業の成長と雇用拡大に伴い、強力なデザインチームを構築するための基盤を作ることができるのです。

中規模企業向けのデザインチーム体制

企業の成長に伴い、デザイナーの雇用が拡大します。デザインリーダーは、共通のデザインビジョンを作り、デザイナーの日々の活動を管理するのに有効な集権型のモデルが中規模企業に適しています。中央集権的なデザインチーム構造で、デザイナーが知識を共有し、お互いにフィードバックを与えやすくなります。

大規模企業向けのデザインチーム体制

デザイン成熟度が高く、多くのデザイナーがいる企業では、柔軟型やハイブリッドチーム構造が最も効果的です。デザインリーダーは、デザイナーがうまくコラボレーションできるようにすること、デザインシステムなどの共通のデザインリソースを作ることを担当します。

その一方で、チームリーダーには、デザインチームがプロダクトチームやエンジニアリングチームなど、他のチームと確実にうまくコラボレーションできるようにする責任があります。

強力なデザインチーム体制を構築するためのベストプラクティス 

デザイナーを採用し、チームを編成するだけでは十分ではありません。デザインチームに十分なリソースを確保し、適切に管理することが必要なのです。ここでは、その方法をいくつか紹介します。

最適なツールへのアクセスを確保する

デザインツールは、デザインプロセスを合理化し、企業の時間とコストを削減することができます。UXPinのようなオールインワン・ツールを使えば、デザイナーはデザイン、プロトタイプ作成、コラボレーションを一箇所で簡単に行うことができます。このツールは、デザインと開発の間のギャップを埋めるため、分散したデザイナーはデベロッパーとうまく連携しやすくなります。また、チームは、契約デザイナーやその他の関係者と簡単にフィードバックを共有することができます。

成長・発展を優先させる

熱心なデザインチームを作るには、彼らのスキルアップに役立つフィードバックを与えることです。チームのデザイナー全員と1対1のミーティングを定期的に行い、フィードバックを与えるとともに、さらなるサポートが必要であるかどうかを確認します。

デザイン戦略文化の構築

デザイン戦略文化は、デザインチームがビジネス目標を推進する上で強力な役割を果たします。また、他の部署でもデザインの価値を理解しやすくなり、チームの士気も高まります。

デザイナーを顧客志向で育成し、デザインでの目標とビジネスでの目標を一致させることで、デザイン戦略の文化を創造することができます。デザイン戦略は、デザインチームが行うすべてのことを導くものでなければなりません。

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