ユーザーレビューでより良いUIデザインができるためには

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製品の進化と成長には、「ユーザーレビュー」と「フィードバック」が欠かせません。このフィードバックを使って、組織は製品の問題修正や、UX(ユーザーエクスペリエンス)の改善ができ、成長および収益のための新たな機会の特定もできるのです。  

というわけで、本記事では、デザインチームが問題解決や製品改良のために顧客からのフィードバックを活用する方法についてお話します。また、とあるビジネスが、ユーザーとの対話だけで、10年足らずで顧客ゼロから10億ドルのユニコーン企業になった例もご紹介します。  

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ユーザーレビューが重要な理由

  製品分析は、デザインの問題点や成功例の特定に不可欠ですが、その問題の原因や成功の理由についてまではわかりません。この定量的なデータは、ユーザーを分析する上で非常に重要ですが、ユーザーが何を考え、何を感じているかはわからないのです。

多くの見込み客を獲得し、高いコンバージョン率を誇っていても、顧客がUXに満足していなければ、顧客の維持は難しく、もっといいオファーを出す最初の競合他社に乗り換えてしまうでしょう。  

そこで、ユーザーレビューやフィードバックで、デザインチームが顧客の感情を理解し、分析ではわからない問題や成功を特定するのです。  

ケーススタディ – Coinbaseのユーザーレビューの成功例

  2022年7月に放送されたポッドキャストで、Coinbase創業者兼CEOのブライアン・アームストロング氏は、顧客からのフィードバックを元に、当時のスタートアップのビジネスモデルを変え、アプリを通じてビットコインを購入する機能を追加したことを語っています。  

「Y-Combinatorでは、”顧客と対話し、製品を証明し、製品や市場の適合性を見つけよ “とよく言われます」。サインアップしたものの、一度もCoinbaseを利用しなかったある顧客との電話で、ブライアンは、ビットコインを持っていない人にはこの製品は何の役にも立たないことを知りました。当時、ビットコインを買うのは大変なことで、Coinbaseのウォレットに暗号を追加する方法がわからなかったのです。  

彼が顧客に、「もしそこ(アプリ)にビットコインの購入ボタンが設置されたら、あなたはそれを使ったでしょうか?」と尋ねたところ、顧客は、「そうですね、そうかもしれないですね。 」と答えました。  

そこでウォレットにビットコインの購入ボタンを追加した後、コインベースは驚異的な成長を遂げ、今では世界中で5000人以上の従業員を雇用する数十億ドル規模の企業に成長しました。ブライアンが顧客と対話し、彼らのニーズや製品への思いを理解したことが、この成功のきっかけですね。  

ユーザーとチャットする前は、ブライアンにはお金を払ってくれる顧客がおらず、Coinbaseには何の儲けもなかったことから、彼は自分の製品に疑問を持ち、これを続けるべきか迷いました。もし彼が、”身の製品がうまくいっていない”という事実しかわからない分析にしか頼っていなかったら、Coinbaseは存在しなかったでしょう!

人々が望む製品や機能を提供するには、客と関わり、ユーザーのレビューやフィードバックに対応することが不可欠なのです。

 

 

ユーザーレビューが見つかる場所

製品チームが顧客のフィードバックを集める方法は数多くありますが、ここでは、最も一般的な方法をいくつかご紹介します:

  1. 製品またはウェブサイトのウィジェット
  2. サポートチケットやチャット
  3. 顧客への質問
  4. アンケート
  5. SNS(レビュー、ハッシュタグなど)
  6. アプリストアとレビューサイト
  7. フォーラムとコミュニティ

1. 製品またはウェブサイトのウィジェット

ツールの中には、顧客のフィードバックを集めるために、ウェブサイトやアプリケーションにウィジェットを配置できるのもあります。例えば、HotjarのFeedbackウィジェットでは、ユーザーが自分の体験を評価し、特定のUI要素やコンテンツについてコメントすることができます。

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このようなフィードバックツールには、以下のような複数のUXのメトリクスに対するフィードバックを収めるためのウィジェットがあります:  

  • NPS(ネットプロモータースコア):その製品を薦める可能性を1~10で評価する。
  • CSAT(顧客満足度):顧客が製品や機能に満足しているかどうかを示す2択(「はい」か「いいえ」)の質問。
  • CES(顧客努力指標):タスクを完了するのがどれくらい難しいかを顧客に尋ね、通常は 1 ~ 10 のスケールで表示される。
  • SUS(システムユーザビリティスケール):UXデザイナーがデジタル製品のユーザビリティを総合的に判断するための質問項目10問。

2. サポートチケットとチャット

  サポートチケットやチャットの追跡は、例えば、顧客が特定の機能を見つけられないとか、タスクの完了方法がわからないなどの傾向を特定するのにとてもいいフィードバックソースとなります。  

UXデザイナーは、このフィードバックを元にさらにテストを重ねて問題の特定や修正ができ、UXベンチマークは、再デザインによって問題が解決されたかどうか、つまりサポートチケットを減らすことができたかどうかが分かることから、このような修正において非常に重要です。  

3. 顧客への質問

  Coinbaseの例で見たように、顧客に質問をすることは、ユーザー体験と成長のために不可欠であり、顧客に理由を聞くことで、製品が満たしていないニーズや期待を理解することができます。

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例えば、顧客のアカウント閉鎖やプランのダウングレードの理由を聞くことが、製品の改善につながるかもしれません。このような顧客をメーリングリストに登録し、不足していた機能をリリースする際に、再度獲得するようにするのもいいでしょう。

4. アンケート

  アンケートは、顧客が何を好み何を嫌っているかを知るための優れたリソースであり、UXデザイナーは、UX調査の枠を超えて、セールス、マーケティング、カスタマーサポートなど他の部門からインサイトを集め、あらゆるタッチポイントでの顧客体験の理解が必要です。  

5. SNS

  SNSは、ユーザーレビューの発見やブランド感情の理解、顧客とのエンゲージメントには素晴らしい場所です。SNS担当者は、ユーザーの評価だけでなく、Twitter、Facebook、Instagramを利用して、ブランドに関連するキーワード、ハッシュタグ、投稿を検索し、製品に関する顧客の声を知るのもいいでしょう。  

またSNSは、競合他社に対する顧客の意見を調査し、チャンスを見極め、失敗を回避するための優れたリソースでもあります。  

6. アプリストアとレビューサイト

  製品のアプリストアや、Trustpilot、Yelp、TripAdvisorなどのレビューサイトには、実際のエンドユーザーからのフィードバックが掲載されています。星評価やキーワードでフィルタリングし、特定の問題や顧客感情を掘り下げることができます。  

また、返信の際にカスタマーサポートのメールアドレスを記入することで、ユーザーと関わり、体験談を詳しく聞くことができます。  

7. フォーラムとコミュニティ

  業界や製品のフォーラムやコミュニティは、問題やビジネスチャンスの特定に適しており、ユーザーは、質問やヘルプを求めるためにこういったプラットフォームを訪れることがよくあります。  

ブランドのコミュニティ・フォーラムを作ることで、顧客との関わりや、賛成票による機能リリースの優先順位の決定が実現できます。また、顧客はこのプラットフォームを利用して、バグの報告や、新しい機能のリクエストもすることができます。  

ユーザーレビューでどのように良くなるのか

  ユーザーレビューは、チームがそれを使って行動を起こす場合にのみ有益です。以下に、カスタマーレビューがUXを導くための方法をいくつかご紹介します:  

  • ユーザー中心のデザイン:レビューによって、UXデザイナーはユーザーの視点から製品を見ることができ、より共感できるようになる。
  • パフォーマンスの分析:企業は、たとえば、「機能リリース後に否定的なレビューがなくなれば、それは新しいデザインによって問題が解決されたということになる」というように、レビューをモニタリングしてパフォーマンスを評価することができる。
  • UXの最適化:フィードバックとレビューにより、デザイナーは製品のUX(ユーザーエクスペリエンス)を最適化するための微調整を行い、顧客の維持と新規顧客の獲得につなげることができる。
  • UXベンチマーキング:組織は、製品や競合他社のレビューを利用して、UXのベンチマークと製品目標を設定することができる。
  • チャーンの減少:ユーザーレビューとフィードバックをモニタリングすることで、デザインチームは、ビジネス損失につながる前に問題を特定し、対応することができる。
  • 紹介を増やす:顧客からの紹介は、低コストで優れた見込み客となり、NPSとCSATのスコアを上げることで、顧客が製品をシェアする可能性が高まる。

ネガティブなレビューとポジティブなレビュー:どれを使うか?

  チームは、以下の理由からネガティブレビューとポジティブレビューに等しく注意を払わなければいけません:  

  • ネガティブなレビュー:顧客が不満を持つ理由とその解決策がわかる
  • ポジティブなレビュー:顧客が製品やブランドを好きな理由がわかる

​​ このようなレビューを分析することで、機能や修正の優先順位を決めることもできます。例えば、特定の機能に対して圧倒的に否定的なレビューが多い場合、新しいものをリリースする前にその修正に注力するのがベストでしょう。  

また、競合他社のネガティブレビューやポジティブレビューを分析することで、機能の改善や同じような失敗を避けることができます。  

ユーザーレビューツール8選

  ここでは、よく利用されるユーザーレビューとフィードバックツールをいくつかご紹介します:  

  1. Hotjar:フィードバックとアンケート
  2. Lucky Orange:ライブチャット、フォーム解析、アンケート
  3. Crazy Egg:ウェブサイト/製品の最適化、アンケート、エラー追跡など
  4. FullStory:フラストレーション・シグナルとジャーニー・マッピングによるUX最適化
  5. VWO 高度なユーザー追跡とA/Bテストテンプレート
  6. Survicate:複数の統合機能を持つ顧客調査
  7. CustomerGauge:ユーザーとアカウントレベルのエンタープライズフィードバックツール
  8. SurveySparrow:アンケート、NPSソフトウェア、チャットボット、アセスメントによるエンタープライズオムニチャネルエクスペリエンスの管理

UXPinによるUXの最適化

問題や機会が特定されたら、正しい解決策を見出すのにアイデアや仮説の検証は不可欠ですが、UXPinがあれば、デザインチームは最終的な製品体験を正確に再現する高度なプロトタイプを構築できます。  

このようなプロトタイプを使って、ユーザーテストの改善や、ステークホルダーからの有意義なフィードバックを得ることができます。ユーザーは、コード プロトタイプの場合と同じようにUXPin プロトタイプを使って操作できるため、機能が何をするのかを「想像する」必要がなくなります。

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そうするとデザイナーは、ユーザー サインアップフローやECのお会計、パスワード検証、および従来の画像ベースのデザインツールでは再現できないその他のエクスペリエンスを機能させることによって、動的なエクスペリエンスを作成することができます。

デザイナーは、ユーザーからのフィードバックに基づいたプロトタイプの作成や、UIのテストや問題の特定を行うことができ、競合製品のプロトタイプを作成することで、競合製品との比較を行い、改善の機会を特定することができます。  

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