デザイン提唱とは?

デザイン提唱

UXデザイナーがデザイン以外のチームやステークホルダーに、ユーザー中心のソリューションとUXの重要性について教育しようとするにつれて、デザイン提唱は過去10年間で人気が高まっています。

デザインの提唱者には、UXデザイナーから実体験を持つ最高幹部まで、さまざまな形態があり、組織全体にリプルを広げてユーザー中心の価値観へと思考を転換させることが目標としています。

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UXデザイン提唱者とは

デザイン提唱者とは、デザインの関心、ユーザー中心のデザインアイデアデザイン思考を促しながら、UX(ユーザーエクスペリエンス)についてデザイン以外のチームやステークホルダーを教育し、連携することに専念するUX専門家のことです。

デザイン提唱者は通常、デザインチーム、ステークホルダー、および他の部門とデザイン関連事項での共同作用における内輪向きの役割になります。

  • デザインチームでは、主に組織のデザインバリューを浸透させ、企業文化の構築のために活動する
  • ステークホルダーや非デザイナーに対して、デザインの価値を示し、連携の機会を探っている

場合によっては、デザイン提唱者は、オンラインフォーラムやライブイベントを通じてエンドユーザーと外部でつながることもあり、彼らが社内で働くか社外で働くかは、製品や組織によって異なります。

提唱と説得の違い

提唱とは、デザインの利益のために立ち上がってテーブルにつくことであり、一方、説得とは、自分のように考えたり行動するよう人々を説得しようとすることです。

デザイン提唱者とは、人々にデザインの実践を強制することではなく、仕事の中にデザイン思考や原則を取り入れることです。目標は、デザイン以外のチームメンバーやステークホルダーに立ち止まってもらい、”この決定は「我々の利益」「顧客」のためになるか?”と考えてもらうことです。

UX デザイン提唱 が重要な理由

多くのステークホルダーや非デザインチームはUXを理解しておらず、UXは見た目の美しさだけを追求するものだと考えています。これは些細なことに思えるかもしれませんが、デザインプロジェクトに悪影響を及ぼし、”デザインの失敗 “と認識される結果になりかねないのです。

例えば、ステークホルダーがデザイナーにビジネス上の利益のためにコンテンツとCTA(Call To Action)を優先するように指示するアプリを構築しているとします。ところが、ユーザー調査やテストの結果は、顧客は違うコンテンツや機能を優先すると出ています。

search observe user centered

直感的に操作できなかったり、必要なものを見つけるのにメニューやサブメニューに移動しなければならず、その結果、単純な作業なのに必要以上に時間がかかってしまうようになり、ユーザーは製品に不満を感じるようになります。そうなると、以下のようなことが結果として起こる可能性があるのです:

  • 顧客が製品を使わなくなり、競合他社に乗り換える
  • 顧客問い合わせの増加
  • コンバージョン数および売上高の減少
  • 否定的なレビューがブランドの評判に傷をつける

このような問題は組織に悪影響を及ぼし、ステークホルダーはUXを責め立てます。本当の問題は、ユーザーリサーチやユーザー中心のデザインよりも、ビジネスの目標や前提を優先させることだったのです

ステークホルダーは必ずしも悪くないのですが、UXに対する基本的な理解が欠けています。そこでデザイン提唱者の出番です。

デザイン提唱 の例

今回は、PayPalとGMの2つの企業組織におけるデザイン提唱の事例を紹介します。

PayPalにおけるUXの提唱

PayPalのUX Lead EPXであるエリカ・ライダー氏は、デザインバリュー会議2020の講演で、いかにUXの原則を製品やエンジニアリングチームに提唱し、UXだけでなく全員がユーザー体験に責任を負うようにしているかを語っています。

彼女は、製品開発プロセスにおける制御と責任の大きな不均衡を以下のように実感しました:

  • UXデザイナーは、ユーザーに提供されたUXについて担うコントロールは0なのに責任は100%を負う
  • エンジニアは、ユーザーに提供されたUXに対して負う責任は0なのに、コントロールは100%担う。

エリカは、責任を負うべきは提供するチームであると信じており、エンジニアがUXを理解できるように教育し、専用のウィザードでその成功を測定することに取り組んでいます。

デザインとUXの原則を提唱することで、彼女はユーザーへの製品提供を改善すべく、エンジニアリング担当者との中間点を見出したのです。

エリカのアプローチについては、デザインバリュー会議での30分間の講演「DesignOps 2.0 – Scaling Design」をご覧ください。

デザイン提唱 が有効であることの証明 – GMの場合

Miro Distributed 2020にて、GMのUX Researcher & Design Strategistであるジェラ・マーフィー氏が、自動車産業の大企業においてデザインとUXを提唱するための戦略について話しています。

彼女は、デザイン思考ワークショップと共有された経験を使用して、ユーザーとそのフラストレーションについてステークホルダーを教育します。 彼女の最大の成功は、GMのグローバルイノベーションディレクターであり、製品へのアプローチに欠陥があることに気づいたターニャ・スキルトン氏との出会いでした。

「当初は、問題やそれを解決するための製品について、ビジネスにフォーカスしたハイレベルな議論をすれば、製品をデザインし創造するのに十分な情報が得られると思い込んでいたのですが、それは大きな間違いでした。我ながら何という大間違い!

ジェラさんと一緒にUXに焦点を当てた研究をすることで、問題やニーズについて純粋に学ぶための質問と、そのユーザーや問題についての私の先入観を強化するための質問とでは、どのように違うのかがわかりました。」

まず、新しいアイデアを受け入れるターニャと、GMのデザインに対する考え方を形成する素晴らしい仕事をしたジェラに脱帽です。ジェラの30分の講演は、こちらでご覧いただけます

このGMの例で、前述した「ステークホルダーが必ずしも悪いわけではなく、単にUXの基礎的な理解が欠けているだけ」という言葉に説得力が増します。

デザインの提唱 に一番いい方法

ここでは、パートナーシップから、デザイン活動へのステークホルダーの参加、さらには新しいデザイン手法の導入まで、組織全体でデザインを提唱する方法をいくつかご紹介します。

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1. 部門を超えた連携

連携は、デザイン提唱を成功させる鍵の1つです。デザイン提唱者は、各部門と協力して、情報やユーザーリサーチの価値を共有する方法を見つけなければなりません。

ここでは、デザインチームが他の人と協力して、組織の他の部分に価値を提供する方法をいくつかご紹介します:

  • セールスチームとマーケティングチームが情報を共有することには、大きなの価値があり、どちらのチームもユーザーの行動を見ますが、それぞれ違うレンズ越しに見ています。
  • セールスやマーケティングは、リサーチをサポートするのに貴重なデータを持っていることが多く、UXはキャンペーンの最適化のために既存のユーザー調査を提供することができます。
  • ​​ユーザーリサーチで、ビジネスチームが新しいユーザーや市場の機会を特定しやすくなります。デザイン提唱者は、この貴重な情報を共有することで、製品と市場の適合性を向上させ、ユーザーと組織のためになるビジネス上の意思決定におけるUXの影響力を高めることができるのです
  • データサイエンティストは、ユーザーの行動、UXが解決できる問題、それに応じた優先順位の付け方について、貴重な見解を持っており、UXの提唱者は、アナリストが顧客の行動をより明確に把握し、理解するためのもう一つのデータポイントとして、ユーザーリサーチデータを共有することができます。

デザインの提唱者となり、組織内での部門の価値を高めるには、このような連携の機会を見つけることは不可欠な部分です。

2. ワークショップ

デザイン思考のワークショップは、デザインプロセスやデザイン思考による問題解決の方法について、デザイン部門じゃないチームやステークホルダーを教育するのにとてもいいです。デザインワークショップは、ジェラ・マーフィー氏がGMで魔法をかけた方法の1つです。その結果を見たらワークショップという方法のすばらしさが分かるでしょう!

3. ユーザーインタビューへ招く

ユーザーインタビューでは、ユーザビリティ・テストのプロセスや、UXデザイナーがどのようにユーザーの問題に対するソリューションを開発し、機会を特定するかをステークホルダーに見てもらうことができます。

また、ユーザーインタビューは、ユーザビリティの問題やデザインの悪いUIでユーザーがどのように苦労しているかをステークホルダーが見る絶好の機会であり、今後の意思決定に共感をもたらします。

4. デザインスプリントに招く

デザインスプリントでは、ステークホルダーとデザイン部門でないチームのメンバーが、1週間以内にエンドツーエンドのデザインプロセスを直接体験することができ、そこでデザイン思考やプロセスを学び、自分たちのソリューションに対するユーザーの反応を見ることができます。

5. ストーリーテリング

GMのジェラ・マーフィー氏は、ユーザーストーリーやUXの成功例を伝えるために、ストーリーテリングをよく利用しますが、UXの成果物を共有することは、こういったストーリーをステークホルダーに提示するにはベストな方法ではないことに、彼女は長い間わかっていました。デザイナーにとっては意味のあるものですが、ステークホルダーにとっては十分なビジュアルではないのです。

彼女は、ユーザーとビジネスゴールの接点を示すビジュアルを多用し、聞き手にとって適切なUXストーリーを語る方法を探しています。

ユーザーやUXのストーリーを語るときは、聴衆のことを考え、適切な言葉やビジュアルを使ってメッセージを伝えましょう。

6. DesignOpsでの提唱

DesignOpsは、デザイン提唱を推進するための一般的な手段であり、DesignOpsの専門家は、デザインの中で効率化を図り、組織の他の部分への影響を測定します。

彼らは、デザインの価値を高めるのに、以下のようないくつかの取り組みを行っています(これらの中には、デザイン提唱者の仕事と類似しているものもあります)。

  • 部門を超えた情報共有の推進と促進
  • 部門を超えた情報共有
  • スキル開発
  • デザイン理念の浸透とチーム文化の構築
  • キャリア開発およびコーチング
  • デザインチームの目標設定とメンタリング
  • 結束と一貫性を高めるためのツールやプロセスの開発

このトピックにの詳細については、「DesignOps 101: Guide to Design Operations」と題した電子ブックをご覧ください。

UXPin – ユーザーのための究極のデザイン提唱者

ユーザーテストは、デザインプロセスの重要な部分ですが、プロトタイプが製品体験を再現できなければ、正確な結果を得ることはできません。UXPinのコードベースのデザインツールを使えば、デザイナーはコードのような忠実性と機能性を備えたプロトタイプを作成し、より良いユーザーテストを行うことができます。

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UXPinのプロトタイプは、ステークホルダーからのより良い、より有意義なフィードバックももたらします。UXPinのコードベースのプロトタイプは、何かをすることを「想像」するのではなく、高度な機能を提供し、ステークホルダーが好む没入型の体験を「創造」します。

「例えば、このボックスはテキストフィールドに見えないといったコメントだけではなく、こういったプロトタイプの機能や目標を体験しているので、最高幹部の方々やディレクターは、最終的な方向性についてより強いフィードバックができるのです。」 PayPal社 UXリード EPX エリカ・ライダー氏

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