忙しいチームのための UXプロセス チートシート

チートシートとは、特定のトピックやプロセスに関する重要な情報を速やかに提供する、簡潔なリファレンスガイドであり、大量のコンテンツに目を通すことなく、複雑な情報がわかりやすいステップになるようにデザインされています。
UX プロセスのコンテクストでは、チートシートはデザインプロセスのステップの概要が示されます。これは、各手順をガイドする簡単で構造化されたツールとなることから、重要なタスクが見落とされることがなく、デザイン作業が整理され、効率的に行われるようになります。
大規模なチームで作業している場合は、UXPin を使って UX プロセス全体を効率化し、部門間の連携を改善しましょう。UXPin は、デザイナー、デベロッパー、ステークホルダーがシームレスに連携できるオールインワンのデザインツールであり、UXPin を使えば、複数のツールの切り替えや、重要なディテールを見失うような作業を行ったりする必要がなく、実際のインタラクティブなコンポーネントを使って忠実度の高いプロトタイプを作成できます。UXPin をぜひ無料でお試しください。
チートシートに従うべき理由
チートシートでごちゃごちゃしたのが明瞭になることから、チームは初日から成功するためのツールを得られます。また、チートシートで、計画どおりに進めるだけでなく、作業の質が上がることから、いいデザインはいいユーザーエクスペリエンスに変わります。チートシートを使うと、単にプロジェクトの完了だけでなく、きちんと問題を解決し、ユーザーを喜ばせ、期待を上回る製品を作り上げることができるのです。
このチートシートがあれば、ステークホルダーからインサイトを集め、ユーザージャーニーをマッピングし、しっかりとしたユーザリサーチを実施するなど、どこから始めればいいのかが明確になり、アイデア出しからプロトタイプ、テストへと進むとき、このチートシートがあれば、ステップの見落としがなくなります。チートシートでチームの足並みが揃い、ミスを防ぎ、各メンバーが従うべきロードマップを得られます。
また、このチートリストは、ステークホルダーと接するときに便利です。これで彼らは、そのプロセスがプロフェッショナルで体系的であることがわかり、リサーチと継続的な反復に基づいて構築されているたことから、最終製品がユーザーのニーズを満たすと信用します。下される決定はすべて、データとユーザーからのフィードバックに裏打ちされており、迷うことなく、全段階で検証された製品を自信を持って提供することができるのです。
UXプロセス のチートシート
ここでは、典型的な UX デザインプロセスにおける主要ステップの概要を提供する UX プロセスチートシートを見ていきます。このチートシートで、チームのワークフローは効率化され、ユーザー中心のアプローチは徹底されます。
1. ディスカバリー(研究段階)
- 目標:問題空間、ユーザー、ビジネス目標を理解する。
- 行動ステップ:
- ビジネス目標、プロジェクトの範囲、成果メトリクスを定めるのにステークホルダーとのインタビューを実施する。
- インタビュー、調査、コンテクストに基づく問い合わせを通じてユーザーリサーチを実施し、ユーザーの問題点、行動、動機を理解する。
- 市場のギャップと機会を特定することにより、競合他社を分析する。
- ユーザーデータとパフォーマンスのメトリクスを確認して傾向を明らかにし、改善のための領域を特定する。
- SWOT 分析を実施し、製品の強み、弱み、機会、脅威を評価する。
- 詳細なユーザーペルソナとユーザージャーニーマップをドキュメント化する。
- 主要な調査結果を強調した競合分析レポートを作成する。
- 製品の目標、制約、ユーザー要件を概説する予備 PRD を下書きする。
2. 製品確定(確定フェーズ)
- 目標:ユーザーとビジネスのニーズに沿った明確な製品ビジョンを確立する。
- 行動ステップ
- 製品キックオフミーティングを開催し、製品ビジョン、役割、責任について全ステークホルダーの認識を統一する。
- バリュープロポジション、顧客セグメント、戦略目標を定める。
- 技術的な実現可能性評価を実施し、製品コンセプトが実現可能であることを確認する。
- リスクアセスメントを実施し、潜在的な障害とその軽減方法を特定する。
- 長期的な戦略ビジョンを定めた製品ビジョン文書を作成する。
- 詳細な機能仕様書(FSD)を作成し、対応プラットフォーム、入力フィールド、エラーメッセージ、システム動作などの技術要件の概要を示す。
3. アイデア出し(創造段階)
- 目標:ユーザーニーズとビジネス目標に対応する創造的なソリューションを生み出す。
- 行動ステップ:
- ブレーンストーミングやデザイン思考のワークショップを促進し、さまざまな解決策を生み出す。
- 想定(仮定)マッピングを実施し、ユーザー、市場、技術的制約に関する主要な仮定を特定して検証する。
- サービスブループリントを作成し、エコシステムとユーザーと製品とのインタラクションを可視化する。
- カードの並べ替えやユーザータスクのマトリクスを使って、機能を整理して優先順位をつける。
- 主要なコンセプトを視覚化するために、ラフスケッチと低忠実度(Lo-Fi)ワイヤーフレームを作成する。
- 技術的実現可能性、ビジネスへの影響、ユーザーニーズに基づいて、機能リストに優先順位をつける。
4. プロトタイプ(デザイン段階)
- 目標:アイデアをテストしてユーザーフローを検証するための、インタラクティブなプロトタイプを作成する。
- 行動ステップ
- コンセプトやユーザーフローをサッとテストするのに、UXPin を使って低忠実度のプロトタイプを作成する。
- 視覚的なスタイリングは行わず、構造、ユーザーフロー、コンテンツ階層に焦点を当てたプロトタイプを作成する。
- コンテンツ戦略を作成し、メッセージ、コンテンツ構造、階層をどのようにユーザーニーズに合わせるかを計画する。
- WCAG 標準に準拠していることを確認するために、アクセシビリティ ガイドラインを実装する (例:色のコントラスト、スクリーン リーダーの互換性)。
- インタラクション中にユーザーにフィードバックを提供するマイクロインタラクションをデザインする。
- ブランディング、ビジュアルデザイン、詳細なインタラクション要素を含む、忠実度の高いプロトタイプを開発する。
- 必要であればデザインシステムを確立し、デザインの一貫性と効率性を確保する。
5. テスト(検証段階)
- 目標:ユーザーテストと反復(イテレーション)を通じて、デザインの決定を検証する。
- 行動ステップ:
- 実際のユーザーを対象としたユーザビリティテストのセッションを実施し、使いやすさやタスク完了に関する定性的なフィードバックを集める。
- A/B テストを実装してさまざまなデザインのバリエーションを比較し、最も効果的なソリューションを決定する。
- ユーザビリティの原則とベストプラクティスに照らして製品を評価するために、ヒューリスティック評価を行う。
- ユーザータスクマトリクスを使って、頻繁に発生するユーザータスクを検証し、最も重要な機能を使いやすいようにする。
- アクセシビリティガイドラインに準拠していることを確認するために、自動化ツールや手動テスト方法を使ってアクセシビリティをテストする。
- パフォーマンスベンチマークを監視し、製品がデバイス間で効率的に動作することを確認する。
- ユーザビリティに関する発見をドキュメント化し、フィードバックに基づいてデザインを反復(イテレーション)する。
6. 構築(実施段階)
- 目標:デザインチームと開発チームの連携を通じて、検証されたデザインを実用的な製品に変換する。
- 行動ステップ:
- ツールを使ってデザイン仕様書とアセットを作成してデベロッパーに提供する。
- アジャイル手法を用いて開発スプリントを計画し、ステークホルダーとの継続的なフィードバックループを確保する。
- 機能性、パフォーマンス、セキュリティの自動テストツールを統合し、開発中のコード品質を保証する。
- デザインQA(品質保証)プロセスを実施し、最終構築がデザイン仕様に合致し、想定通りに機能することを確認する。
- JIRA などのバグ追跡ソフトウェアを使って、発生した問題の監視、文書化、解決を行う。
- 自分のチームに製品を使ってもらうことでドッグフーディング(内部テスト)を実施し、バグや使い勝手の問題を見つける。
- 将来の参照とメンテナンスのために技術的な詳細をドキュメント化する。
7. イテレーション(反復)と継続的な改善
- 目標:実際のデータやユーザーからのフィードバックに基づき、製品の継続的な改良や改善を行う。
- 行動ステップ:
- カスタマーサポート、セールス、その他の顧客対応チームとのフィードバックループを設け、実際の問題や提案を集める。
- Google Analytics や Hotjar のようなツールを使ってアナリティクスやパフォーマンスメトリクスを監視し、摩擦点や改善点を特定する。
- 発売後の A/B テストやユーザビリティテストを実施し、製品体験をさらに最適化する。
- 機能フラグを使って、新しい機能を段階的にリリースし、特定のユーザー セグメントからフィードバックを集める。
- フィードバック、パフォーマンスデータ、ビジネスの優先順位に基づいて製品ロードマップを更新する。
- 発売後の分析から得られたインサイトに基づいて、主要な機能のイテレーション(反復)を行う。
補足ツールと文書:
- 行動ステップ:
- データ入力フィールド、検証ルール、インタラクションの動作など、正確な技術的詳細を含む機能仕様書(FSD)を作成する。
- 詳細なタイポグラフィ、スペーシング、グリッド、色、再利用可能なコンポーネントを含むデザイン仕様書を作成する。
- 製品の機能性、使いやすさ、パフォーマンスをテストするための手順と基準をまとめた QA(品質保証)テスト計画の下書きを作る。
- コンテンツ戦略文書を導入し、コンテンツの構成、ガバナンス、更新の計画や管理を行う。
- フィードバックとパフォーマンスデータに基づいて、将来の機能、アップデート、反復を概説する製品ロードマップを保全する。
UXプロセス チェックリストの使い方
UX プロセスでこのチェックリストを効果的に使うには、以下のステップに従いましょう:
プロジェクト開始時のセットアップ
プロジェクトを開始する前にチェックリストを確認することから始めましょう。UX プロセスのどのフェーズが現在のプロジェクトに最も関連性があるかを確認し、目標、チーム構成、タイムラインに合わせます。
ワークフローへの統合
プロジェクトを以下のようにチェックリストの段階を反映するステージに分けましょう: ディスカバリー、製品確定、アイデア出し、プロトタイプ、テスト、構築、イテレーション(反復)。また、チームメンバーを各フェーズに割り当て、それぞれの責任をきちんと理解させましょう。
進捗状況
チェックリストは、進捗管理として使いましょう。各段階が完了したら、チェックリストの該当するステップを見直し、見落としがないことを確認します。完了したタスクにチェックを入れ、改良や追加作業が必要と思われる箇所を再検討します。
チームとの連携
チェックリストをチームで共有し、全員がプロセスを明確に理解できるようにしましょう。想定事項を設定し、進捗状況を話し合い、阻害要因を解決するためのミーティングで、このチェックリストをガイドとして使います。
適応と反復
プロジェクトが全てまったく同じ道筋をたどるわけではありません。なので特定のプロジェクトに合わせてチェックリストを調整し、固有の要件に合わせてタスクを追加したり、該当しないフェーズをスキップしたりしましょう。そしてプロジェクトが終わるたびにチェックリストそのものを見直して反復することで、忘れずに将来の仕事との関連性を上げましょう。
説明責任を維持する
チェックリストを説明責任の源として活用します。チェックリストを常に目に見える形で維持し、完了した作業と次の作業を追跡することで、チーム全体が連携し、期限通りに成果物を納め、プロジェクトの目標を達成する責任が維持されるようになります。
UXプロセス チェックリストを使ってプロジェクトを追跡する
チェックリストを効果的に使うことで、スムーズで構造化されたユーザー中心のデザインプロセスが実現することから、高品質な製品を期限通りに提供できるようになります。
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